上高地から徳本峠へ
(標高2140m)

2015.5.26〜27(テント泊)

5月下旬の上高地は、ケショウヤナギやカラマツなどの新緑と

ニリンソウの群落が、見事に咲き誇る季節である。

この時期に訪れるのは3回目であるが、今回は「徳本峠」を目指す。

本来ならば、霞沢岳山頂からの穂高連峰の絶景を眺めたかったのだけれど、

私達の体力では、到底無理と断念した。

 

自宅を午前3時前に出発。

<横浜新道ー東名ー圏央道ー中央道ー松本IC>

沢渡駐車場(茶嵐駐車場)に7時過ぎに到着。

支度をしている間に、上高地バスターミナル行きのバスが行ってしまった。

30分位待っても良かったが、訳ありでタクシーで行くこととなった。

バスターミナルに着くと、新緑の爽やかな上高地が待っていた。

徳本峠までは、ハイキングコースである。

でも、我が隊はテント泊でゆっくりと過ごすことが目的。

しかし久し振りのザックは重く、足取りは軽くとはいかなかった。

河童橋を入れたお馴染みの景色も、好天に恵まれて最高ー!!

(豆知識)小梨平の名前の由来になっているコナシは、「ズミ」の別称。
かつて小梨平で多く見られたズミの木は、大正初期のカラマツの植林や
キャンプ場の造成により、その大半が伐採された。地名のわりにズミの木は少なく、
いまは河童橋付近の川べりや明神付近で数多く見られる。「山と渓谷より抜粋」

 

清流の美しい、梓川沿いのケショウヤナギの新緑がとても眩しい。

 平日の早朝とあって、まだ人も少なく気持ちが良い。
小鳥の囀りが心地よく、空気も新鮮である。

明神館で一休みしてから、徳本峠へと期待で胸を膨らませながら歩く。

分岐を過ぎると、期待以上にニリンソウは咲き乱れていた。
時間はたっぷりあるし、此処でゆっくりと写真撮影タイム。

ほんのりピンクの花が多く、いつまでも飽きることない二人だった。

 

 

 

 

左:?スミレと、右:ツバメオモトを、下から花を撮りたかったが、ザックが重くて無理〜

 

木立の道は、鶯や沢山の小鳥が飛び交い、美しい囀りに心癒される。

左:ネコノメソウ(ユキノシタ科)と 右:サンカヨウ
こんなに綺麗に多く咲いているのを今まで見たことが無かった。感激!

 

そして、ニリンソウが小道の両脇に咲き続き、夢のような気分に浸りながら歩いた。

 

沢を渡る木の橋は、2か所あった。雪解け水が、勢いよく流れる。

右:コミヤマカタバミ(カタバミ科)小さな花を撮るのは、本当に難しい・・・

 

オオバキスミレも、あちらこちらで見られ感動!

視界が開けた時、穂高の峰々の雄大さに圧倒される。

ショウジョウバカマが沢山咲いていた。色が濃く、咲き始めのようだった。

 

徳本峠登り口より雪道が多く、谷を横切る時は慎重に足を進めた。
一年前に「武尊山登山」で、雪渓で滑って痛い思いをした記憶があり・・・

 

ゆっくりし過ぎて12時ごろ徳本峠小屋に到着。
早速、テント泊の料金を支払う。何処も値上がりで、一人700円×2
2年前は500円だったのに・・・
沢渡の駐車場も、100円の値上がりで600円!二日で1200円也〜

 

テントを張る前に、小屋から45秒登った所に「てんぼう台」があり、
そこからの穂高連峰が、この景色。生憎雲が湧きだして、中々切れてくれない。
私達と同じ歳位の三人のお仲間がカメラを構えて頑張っていたけれど、
暫くして諦めて下山して行った。今夜は徳澤園に宿泊だそうだ。

先客のテントが二つ張ってあったが、霞沢岳から下山してきた若いご夫婦は
あっという間にテントを撤収。女性の方が「もう2度と登らないですぅ」って、
かなり大変だった様子。雪解けで悪路、展望にも恵まれなかったのかな?

テントを張るのは昨年9月の鹿島槍登山の時以来。
日差しが強く、中は蒸し暑かった。でも夏と違い、夜はかなり冷え込んだ。

 

NHKの「小さな旅」山の歌で、「徳本峠」を見た事で、ここに魅かれる要因にもなった。
美味しそうなラーメンも食べてみたかったが、この日は無く残念!うどんにした。
今日はテントが二つだけ、寂しいテント場です。

青いテントの住人は若い男性。今日は島々谷から歩いて来たそうだ。
山の話に花が咲く。そこに70代の男性が到着。
素晴らしいフイルムカメラをお持ちだった。
今度はカメラの話に夢中〜男性は小屋泊だったので、
食事に呼ばれるまで、我々と楽しい時間を過ごした。

私達の山食は、チキンカレーと野菜カレー。ゆで卵にパイナップル。
昼食は遅く、山小屋でうどんを食べたため充分だった。

青年とQ隊長は、話が弾んでいるようで楽しそうだったが、
ヘボ隊員は寝不足気味だったので、シェラフに潜って横になっていた。

気温は12度位と青年が言っていた。
空には半月が明るく照り、星も出てきたようで、明日の朝が楽しみである。
うつらうつらしながら、8時には眠りについた。