鹿島槍ヶ岳

(二日目)9月28日(日曜日)

午前3時に起床。満天の星が輝いていた。
ザックに食料やシェラフなどを詰め込み、テントの中を空にする。
クマに荒らされないためである。昨日から25張りあったテントは
今日、殆どが撤収されて我々のテントだけが残される。
ザックを山小屋に預け、サブザックに雨具、水、行動食を入れる。
暗い中、ヘッドランプの明かりを頼りに慎重に歩き始めた。

爺ヶ岳の山頂を踏みたかったが、帰りにと言うことで
巻いて歩く。最初は緩やかな道が続く。
次第に明るくなって、ご来光が望めそうで期待した。

鹿島槍ヶ岳の雄姿が浮かびあがった。素晴らしい!!
冷池山荘は滝雲の中にある。鹿島槍の手前の布引岳の登り返しがきついらしい。

ご来光!私のカメラは、肝心なところで電池切れ~Q隊長が撮る。

やがて鹿島槍ヶ岳は赤く染まった。


まるで、水面に浮かぶかのような幻想的な剱岳。
太陽が、雲を少しづつ溶かしていく。

立山は何年か前に、ガスが掛る中を歩いた事を思い出す。
秋晴れの清々しい空気を吸いながら、こうして歩けることに感謝だった。

山頂に立ったのが、8時15分。
快晴の中、360度の大パノラマを満喫する。
5年前の槍ヶ岳登山以来の好天だった。

槍ヶ岳を望遠レンズで近づけてみると、右横から御嶽山の噴煙とみられる煙が・・・

鹿島槍の北峰。隊長はパスすると言う。
私は行きたかったのにな~~残念!
70代と見られる10名くらいのパーティの方々が北峰へと向かって行った。
しかもザックを背負ったままで。また引き返してくるのにな~と思ったけれど、
何があるかわからない。リーダーの男性が、背負うようにと指導していた。

下を覗くと、八峰キレットにキレット小屋がみえる。
凄い場所に建てられている。


五竜岳の奥には白馬岳と周辺の山々。

この日、飽きるほどの「剱岳」を見ることが出来、大満足!!

紅葉と剱岳~♪

リンドウの花も所々に咲いていた。

ミヤマアキノキリンソウは残りわずかだった。

振り返って撮った鹿島槍ヶ岳。名残惜しむ。

爺ヶ岳の北峰、中峰、南峰。
勿論、歩くと思いきや、またまたパス!

えーっ!しんじられな~~いとブツブツ言う隊員であった。

冷池山荘にて、美味しいラーメンを食べた。
お腹も空いていたし、塩分も不足していたのか元気が出る。
写真を撮り忘れ~~

ダケカンバの黄葉が一際映える。

錦に彩られた山にうっとりするばかり。急ぐ訳でもないので
ゆっくりと楽しみながら歩く。

左:ウラシマツツジの紅葉。 右:コケモモの実

 

爺ヶ岳の北峰中腹から振り返って見る、冷池山荘。
此方からも見事な紅葉である。

爺ヶ岳南峰中腹から望遠レンズで望む、種池山荘の周りはとても綺麗だった。

下山後の生ビールの美味しいことったらない。
隊長、2杯半(隊員は半分)明日はゆっくり帰るだけなので、
登山者同士の楽しい交流の時間が流れる。

毎週山歩きをしていると言う若者と話をしているうちに、
隊長の兄のホームペーで、いつもツイッターで話をしていると言う。
帰ったら兄からメールが入っていた。早い!

この日はテントが3張り、単独の男性と浦安のご夫婦。
若い夫妻は、登山歴10年と言う。自炊室で、それぞれに夕食を作りながら
結構長い時間、話が弾んだ。

今日のメニューは、カレーライスと味噌汁と、柿。
今回のカレーはレトルトではあるが、美味しいと言ってくれた。
前回、穂高岳の時はかなり不評だった・・・(^_^;)

 

三日目 29日(月曜日)

テントは風にさらされることもなく、樹木に囲まれた静かなテント場だった。
見晴らしの良い冷池のテント場は、今日は相当の風に吹かれたと思う。
ゴウゴウと恐ろしいくらいの風の音に眠れなかった。
信じられなかったのが、テントの中から星が見えたこと。
きっと外に出たら、満天の星空だったことでしょう。

目が覚めた時は既に6時を回っていた。
テントを撤収しなければならない。カメラを仕舞う前に。
富士山のシルエットの両脇には、八ヶ岳と南アルプス。

八ヶ岳↓

南アルプス↓

遠く山間から見えた水晶岳↓
朝食はドライカレーとエビピラフとオニオンスープ。
しっかりと腹ごしらえをして、いよいよ下山開始。

さあ~テント生活も終わりです。カメラもザックに仕舞って出発。
下山中に凄いご夫婦に出会う。ご主人96歳で、登山を始めたのが91歳と言う。
しかも、5年間で百名山77座を踏むとは吃驚でした。奥さんは80代?若い。
登山口に着いたのが、12時。途中「倉下の湯」に日帰り入浴。
今日は小谷温泉の山田旅館へ泊る。3時ごろ到着。
久しぶりの温泉に思う存分浸かり、至福の時を過ごした。

雨飾山へも登りたかったが、また何時かである。
30日の朝、朝食を済ませて家路へと向かう。
日本の原風景を一枚。

こうしてテント2泊、温泉1泊の旅は終わった。
来年は五竜岳を目標に! 出来れば北アルプス裏銀座へも行けたらと、
まずは身体を鍛えなくては、です。