秋の槍ヶ岳〜南岳縦走

9月24日(木)〜27日(日曜)

シルバーウィークと言われる大型連休明けに出発した

今回の槍ヶ岳登山、静かな秋空の下を歩いてきました。

 

1日目

上高地(6:30)

明神館(7:10)

徳沢(8:00)

横尾(9:10)

殺生ヒュッテ(3:00)泊

2日目

殺生ヒュッテ(6:20)

槍ヶ岳山荘(7:10)

槍ヶ岳(7:15

 8:20)山頂で1時間近くゆっくりできた。

槍ヶ岳山荘(8:21)

大喰岳(9:15)

中岳(9:56)

南岳(11:30)

南岳小屋(12:15)泊

3日目

南岳小屋(6:50)

南岳(7:00)

氷河公園(8:30)

天狗池で大休憩 天狗原分岐(9:00)

槍沢ロッジ

 横尾(13:00)  徳沢(13:40)徳沢園で昼食  上高地(15:00)  中の湯(15:40)泊

 

24日の午前1時半に自宅を出発して沢度に到着したのが5時45分。

丁度上高地を散策するご夫婦と、タクシーを乗り合わせることができました。

上高地バスターミナルから思いザックを背負い、いよいよ槍ヶ岳へ向けて出発です。

長い長い平坦な道を朝の木漏れ日の中、足は軽やか〜♪(帰りは怖い〜〜)

 

道端にはまだ咲いていたセンジュガンビ。薄紫のノコンギクが優しく咲いていました。

 

徳沢のキャンプ場へ着くと、美しい光のカーテンがテントに降り注いで、ステキな光景。

 

 

何年か前に涸沢へ行った時に渡った横尾橋。

この日は通り過ぎて念願だった槍ヶ岳へと向かいます。

 

美しい流れの槍沢沿いを歩いていくと、槍見河原で槍の穂先がドーンと現れた!

真っ青な空に堂々たる姿に、果たしてあの天辺に登れるのだろうかと、恐ろしい気も過った。

Q隊長には「な〜に大丈夫よ」と強気な隊員でしたが・・・

 

 槍沢の清らかな流れ。

  

川の流れの音と、小鳥の囀り、なんとも心地良い歩き。だけど、長い道のりだね〜〜

トリカブトやカラマツソウの花などに癒されながら頑張って歩き続けますへ(*^^)ノガンバ!

 

  

槍ヶ岳へ向かう人は少なかった。槍は好きで何回も来ていると仰る女性Kさんに出会い、

山小屋はヒュッテ大槍が良いですよとの情報も(燕山荘と同じ経営の山小屋)得る。

宿泊する予定だった槍沢ロッジに10時半に着き、あまりにも早い時間なので、Q隊長暫く思案。

何とか頑張ればヒュッテ大槍まで行けると判断。10時50分に出発した。

パパ平を過ぎて岩稜の道を登ると、ナナカマドの紅葉が目を楽しませてくれる。

 

 

もう、こんなに紅葉しているとは想像もしていなかった。ホースから槍沢の水が出ていて、

汲めるようになっている。冷たくて美味しい水に、ご満悦の隊長。

山はこんなにも色づいていたんですね〜驚きでした。

きれい〜きれい〜の連発!

 

槍です!!

隊長が、このまま槍ヶ岳山荘まで行けると判断。頑張ろうと励まされつつ、

へぼ隊員は重い足を一歩一歩進めたのでありました。

さあ〜もう少しだぞ!っとニコニコ顔の隊長。

え〜〜まだまだ遠いよ〜〜と文句たらたらの隊員・・・

 

ヒュッテ大槍までは0.3KM

槍ヶ岳までは1.25KMでかなりの差・・・隊員は右へ行きたかったのに〜

結局、槍ヶ岳山荘までは辿り着けず(隊員ダウン〜)雨も降り出し、

槍の一歩手前の殺生ヒュッテに転がり込んだのであった(-_-)ヘロヘロ

Q隊長、早速「ビールをください!」と頼んだら、即、「売り切れでありません」と小屋の主人。

連休中に売り切れてしまったという。ガックシの隊長だった・・・

ここでの宿泊客は6名。テント泊が2名。

食事の前に一つのストーブに6人が輪になって囲んでいたとき、

外は雨が降っていて、テント泊のオーストリアから来ていた男性二人が

もう一つのストーブを炊いて欲しいと山小屋の人に頼んだら、宿泊しない人は

中に入っては駄目だと冷たく言い放った。なんて心の狭い主人なんだと腹が立った。

最初の印象も酷いもので、親しく話していた女性の登山客にはお茶を出して、

Q隊長が、お茶を頂けますかと言うと、「食事の時にしか出しませんよ」と投げるような返事。

この時、ヒュッテ大槍に向かわなかったことを、すごく悔やんだ。

まあ〜良かったのは、空いていたこと。少人数でも寝床は1っ箇所にまとめられたけれど、

それでも一つの布団に一人で寝られる。8時消灯で、8時間ぐっすりと眠ることが出来ました。

(評判の悪いこの小屋も、連休中は小屋始まって以来の混み様だったとか・・・)

 

 

9月25日(金曜日)晴れ

いよいよ槍ヶ岳へ!

25日の早朝4時に起きて、窓から空を見上げると、満天の星が輝いていた。

まだ皆眠っているようなので、静かにしていた。食事の前にカメラを持ち出して外に出たら〜

富士山と南アルプスのシルエットがとても美しかった。

いつまで待っても朝焼けにはならず、期待はずれ・・・でも満足(^^)

 

隊員のカメラはザックに仕舞うように命令され、殺生ヒュッテを出発。

いよいよ槍ヶ岳へ向かう。約1時間ぐらいと言われた。

近づくにつれ、槍が覆いかぶさるように迫ってくる。真っ青な空、展望が期待される。

 

槍ヶ岳山荘に40分で到着。ザックを置き、サブバックにカメラを仕舞い、

心を落ち着かせ槍に取り付きます。三点確保、梯子も注意深く。

 

ヤッター!!山頂です^^ (3180m)

一時間前に出発していた女性もまだいらしたのには驚いた。

何時間居ても飽きることの無い360度の大パノラマです。

昨年の秋に登った笠ヶ岳の雄姿!まるで空の上から望んでいるような景色\(^▽^)/バンザーイ!

笠ヶ岳の後方には白山。

槍の影も映して〜小槍も^^

昨年の夏山「黒部五郎岳」もバッチリ!

大喰岳・中岳・南岳の先に穂高の山々。右手前の焼岳、その奥は乗鞍岳

左奥には霞んでいたけれど、南アルプスも望めた。

 

 

夢中で撮っている隊員。ついでに登ってきた梯子も^^

常念、蝶ヶ岳をバックに逆行のシルエット。約1時間のんびりと山頂で過ごし、

下りるのは名残惜しかった。連休中は槍に登るのに4時間待ち、撮影禁止と聞き、吃驚だった。

やっとこさ無事下山の隊員(^^)v これから南岳へと向かう。

 

笠ヶ岳が大きい〜〜

大喰岳(3103m)へは、なだらかな歩きでした。

振り返って槍!

 中岳へ向かう道。 その途中で、ヒュッテ大槍を教えてくださったKさんにバッタリ!

Kさんは朝早く槍に登り、中岳まで歩いて引き返すところでした。今夜もヒュッテ大槍へ宿泊される。

昨夜はワインを振舞われフランス料理のようなご馳走と、シチュウも出て、お酒も出たとか。

天国と地獄の差・・・ご一緒したかった〜〜

中岳(3084m) 振り返って、槍・大喰

 

南岳へ向かいます。穂高の雄姿が迫ってきます。

こんなザレ場を下りてきました。青い空に白い雲がきれいでした〜

 

振り返って槍ヶ岳・大喰岳・中岳(綺麗な三角錐です〜)

どっしりとした南岳です。

 

 

南岳山頂(3033m) 燕岳〜大天井〜常念〜蝶ヶ岳の連なりが見えます。

私が初めて北アルプスを縦走したコース。一望しながら当時を思い浮かべ、

こうして山を続けてきたことに深く感謝の気持ちを伝えたかった。

この日宿泊する南岳小屋。穂高の山々が目前に!素晴らしい景観の中に位置しています。

 

南岳小屋に12時ごろ到着。

3000m級の稜線歩きは言葉に言い表せないほど素晴らしいものでした。

この日も空いているかと思いきや、登山客が日が暮れるまで続々と到着し、部屋は満杯状態に。

とにかくQ隊長はビールを注文!隊員もこの時ばかりは飲みたくなったのでした〜(^o^)/■

 

この下は断崖絶壁(~_~) 隊長に「覗くなー」と怒られる隊員/(-_-)スンマソン

大キレットを越えて来る何人かの登山者が望遠レンズから確認できた。

 

 

 ビールを飲みながら、ほっと一息ついているQ隊長。山に入ってから初めてのビールに「うめー」

 

  

隊員も美味しい〜と喉を潤し、超ご機嫌〜♪

この時、頻繁に飛ぶヘリが、あちこちの山小屋に荷おろしで大忙し。

南岳小屋にもやって来た。下にいる二人は殺生ヒュッテでテント泊をしていたオーストリアからの登山者。

これから大キレットを越えて、北穂へ行くそうです。その後、奥穂高、ジャンダルムへも!

 

やはり覗いてみたくなるのが心情で〜実際は凄いです!

 北穂高山荘が凄い場所に建ってるのを、この目で初めて見ることができました。

本当に眺めが良いところですね〜山頂にも人が立っているのが見えます。

 

オーストリア人の二人が大キレットへ向かうところです。

日本のアルプスも素晴らしいと言ってくれました。

その後、殺生ヒュッテで一緒だった、30歳の若者と、もう直ぐ80歳になると言われる

先生と67歳の弟子のお二人と南岳小屋のベンチで暫しお喋りをする。そこへ40歳代と言われる

女性が加わる。氷河公園から天狗原へと登ってきて、明日は槍へ行かれるそうだ。

 

先生(昔、高校の数学の教師で、山岳部の顧問をしていらした。)は富士の裾野、田子の浦で

足をつけて、一気に山頂へ登り、そのまま下って田子の浦で水浴びをしたという健脚。(当時64歳)

いままで富士山に560回以上登っていると言う。勿論、百名山も全て踏破。明日はお二人で

大キレットを超えて奥穂高へ行かれるそうだ。そしてまた奇遇な出会いもあった。

先程、大キレットを越えてきた登山者の若い男性のガイドさんと、年配の女性3人だった。

山荘の中のテーブルを囲んで、山の話をしていると、若いガイドさんが、

Q隊長のお国訛で自分の母と同じだと言い、「もしかしたら○○さんですか?」と!

吃驚した隊長!話の中からQさんの兄と、ご近所の方だったのです。似ていたのですって〜^^

清里のペンションをご両親が経営されていて、2軒先が兄のペンション。

いつも親しくしているそうです。この方は年300日は山のガイドをしているそうです。

今回、兄達の都合で一緒に来れなかったのが残念でした。山の世界は広いようで狭いですね〜

時間がとてもゆっくり流れて、食事の後も話は尽きませんでした。

夜8時消灯、この日は何故か寝つきが悪く、夜中も目が覚めたりで明日の歩きがちょっと心配でした。

 

9月26日(土曜日)曇り時々晴れ

氷河公園天狗池で遊び、下山後中の湯温泉へ

4時には起きてしまい、もう眠れなかった。5時45分の日の出を待つため、

カメラを持ち、南岳の中腹に向かった。しかし雲は取れず、この日もご来光は無し・・・

槍がちょこんと姿を見せてくれる。慰めてくれているみたい・・・

 

 「おーい、飯だぞー」と山小屋から隊長の声。今日は晴れるとの天気予報だったのにな〜〜

しぶしぶ戻りました(-。-)

 南岳小屋を6時52分に出発。天狗原から鎖、梯子が続く急な下りを三点確保で慎重に下る。

 

鎖場や岩ごろを、 下りてきた所を写す。

長い梯子が二つあります。しっかり付いていて安心です。

梯子は横端を掴んではいけません。必ず中の段をしっかり握ります。

危険な箇所も終わり、ほっとする瞬間です。

このあと、氷河公園はガスっていました。わ〜がっかり〜と心は重く・・・

 

それが、いつの間にか霧が晴れて、こんな素晴らしいロケーションが待っていたのですから、大感激です!!

欲を言えば空の色が・・・なんて、ばちが当たりますね(^_^;)

 

 ナナカマドが上品に色づいていました。私の写真ではとても表現できません。

 

 

 

 

 (Q撮影のタテヤマリンドウ)

(Q撮影のチングルマの綿毛と紅葉)隊員のカメラはこの時動きませんでした・・・

 天狗池へ到着すると、見事な逆さ槍が!!もう〜溜息交じりの撮影でした。

 

 

 空が少しずつ晴れてきました。もう少しなのにな〜と思いながらも大満足!

 ここでもKさんにお会いしました〜^^中岳でお会いした時に、

天狗池でまた会えるかもですねって言ったとおりで嬉しかったです。ご縁があったのですね〜

とっても優しい笑顔が素敵なKさん。またお会いしたいですねと言葉を交わし、私達は先に出発しました。

 

 

 

 まだしっかりした花のクルマユリを隊長が発見!紅葉真っ盛りを見てきただけに、季節が逆戻りって感じ〜

 そして、ハクサンフウロもまだ綺麗に咲いていました。

 リンドウも沢山!

夢のような風景の中から、現実へと向かっていきます。

槍沢のせせらぎも、足の痛みには効かずです。

長い長い道のりは本当にしんどかった・・・

槍沢ロッジでも休まず通り過ぎ、横尾も休まず一気に徳沢まで歩き通しました。

徳沢で特性ラーメンを食べ、名物のソフトクリームで、満足顔の二人でした。

この三日間で、一番美味しいものにありつけたって感じでした^^

土曜日とあって、山へ向かう登山客とたくさんすれ違う。

今日の山小屋は大変な混み様になるでしょうね〜

上高地を散策する人は以外と少なくて、河童橋も人が疎らでした。

バスに揺られて沢度の駐車場まで熟睡しそうでした。

いざ中の湯へ!疲れを癒しにレッツゴーです(^o^)/

 南岳から8時間半の歩きは本当に疲れました〜特に林道歩き・・・

 

憧れの槍ヶ岳へ登頂できたことに感謝、

来年は奥穂高へと、望みが叶いますように。

今年は恒例の兄弟登山ができなかったのが残念でしたが、

好天の中、素晴らしい山歩きでした。